宝石について少し専門的なお話6 (宝石ルースの新品・中古の概念)

HIKARUISHI(ひかるいし) 宝石について少し専門的なお話6

ルースとは

まず初めに初歩的なところから。

ご存知の方も多いかと思いますが、ルースとは裸石のこと。

原石から研磨されて宝石の形にはなっているけれど、指輪やピアスにセットされていない、石単体のことを指します。

 

『新品石』『外し石』『再研磨石』

ルースには新品石、外し石、再研磨石の三種類がございます。

『新品石』は今までジュエリーとして加工されたり、一般のお客様の手に渡った事の無い石です。

『外し石』は古いジュエリーを業者が買取し、そこから取り外した石を再還流させたものです。

『再研磨石』は上記の『外し石』から傷をとったり、形状を変える目的で再研磨(リカット)して、仕上げなおした石です。

新品石以外は中古の宝石となります。

 

これら三者を判別可能か

結論から申し上げますと、『新品石』と『再研磨石』の判別は難しいかと思います。

なぜなら、『再研磨石』は元の状態から一皮剥いたものですから、物理的には『新品石』と同じであると言えるためです。

違いは心理的な『新品か否か』という記号性のみです。

『外し石』は石留めの痕跡が残っていたりしますと、ジュエリーにセットされていたと断定できますし、エッジ(カド)に傷が多いものは外し石である可能性が高いと言えます。

この記事の写真のルースは外し石で、よく見ると四か所に爪留めの跡が見られます。

 

当社での取り扱い

我々、業者の立場からしますと『再研磨石』や『外し石』を取り扱う利点は、やはり仕入れ値を抑えられる所にございます。

『普段使い』をコンセプトとするHIKARUISHIでは、値ごろ感のある石を複数の石屋さんから仕入れております都合上、『新品石』『外し石』『再研磨石』を区別せず取り扱っております。

ただし、『外し石』について痕跡が明らかな場合や、その可能性が高い場合はその旨を説明文に記載するように致しております。

 

ジュエリー業界の常識、お客様にとっての非常識

ジュエリー業界内では宝石ルースに対して、新品か中古かという区分の認識は希薄であると言えます。

特に希少で高額な石であるほど、その傾向が強いです。

これは『宝石が限りある資源』であるという理由もございます。

ただし、業界全体で説明不足である所も否めず、そこには一般のお客様との間に認識の乖離があるように感じられます。


ウェディングジュエリーなど、『新品石』を使いたいというお客様も多くいらっしゃるかと思います。

そうした場合は誠にお手数ですが、お問い合わせください。

石屋さんと相談して、お客様のご希望に合った新品ルースをお探しいたします。