ジュエリー制作についてのお話2 (地金編)

HIKARUISHI(ひかるいし) ジュエリー制作についてのお話2 (地金)

地金のお話 

『地金』と書いて『じがね』と読みます。

ジュエリーにおいて地金とは素材となる金属を指します。

今回はHIKARUISHIで使用する地金素材の紹介をいたします。

 

基本方針として、HIKARUISHIでは特殊なオリジナルの地金は使用いたしません。

普段使いとして長く使っていただくには耐久性や、将来の修理も念頭に置く必要があると考えます。

長いあいだ汎用されてきた地金レシピには、それなりに一日の長がございます。

具体的には品質の安定性、割れにくさ等の加工性、ジュエリーとしての耐久性、素材の入手性、修理のしやすさ…etc.

バランスに優れた物であることが重要です。 

 

K18YG

18金イエローゴールドです。

ちなみに18金とは『18/24』=75%の金と、残りの25%の他の金属(割金)でつくられた合金であることを意味します。

純金は変色しませんが、18金は割金の影響でわずかに変色いたします。

金に限らず、なぜ割金と混ぜて合金を作るかと言いますと、ジュエリーとしての実用強度を確保するためです。

金属には傾向として純金属よりも二元合金(二種類の金属の合金)の方が硬く、更にK18YGのような三元合金はより硬くなるという性質がございます。

HIKARUISHIのイエローゴールドは25%の割金部分に一般的な銀と銅を用いております。

刻印は『K18』と打ちます。

余談ですが海外製品では金の含有率75%を示す『750』と打たれる場合が多いです。

 

K18WG

18金ホワイトゴールドです。

75%の金と、25%のパラジウムや銀を割金として作られます。

割金のうち銀が多めだとわずかに黄色味が残り、全てパラジウムにするとグレーがかった銀色になります。

もともとホワイトゴールドはプラチナの代用品として使われ、プラチナの色に近づけるためにメッキされるのが普通でした。

現在は金の価格とパラジウムの価格(金より高いです!)が高騰し、プラチナとの価格差に逆転現象が生じております。

安価なニッケルを割金として使用するメーカーさんもあるようですが、金属アレルギーの原因になりやすいのでHIKARUISHIでは使用しません。

あえて高価なホワイトゴールドを選ばれる場合は、メッキせずに独特な地金のグレーがかった銀色を活かして制作いたします。

HIKARUISHIでは刻印はホワイトゴールドについても、イエローゴールド同様に『K18』で、あえて『WG』刻印は打ちません。

 

Pt950

プラチナ950です。

95%のプラチナと5%の他の金属(割金)であることを示します。

割金にはパラジウムとルテニウムを使用しております。

色はホワイトゴールドよりは明るく、シルバーよりは暗い色です。

分かりやすい例えで、プラチナはステンレスに近い色です。

プラチナ950はK18と比較すると、比重の重い金属です。

同じ形(同体積)の指輪について、K18YGで8gの場合、Pt950ではおよそ10.5gになる位の差がございます。

銀製品の場合は更に軽く、Sv925ならばおよそ5g程になります。

また、プラチナはK18と比べて柔らかく、切削し難い粘り気のある金属です。

そのため彫り模様は硬質なK18の方が綺麗に入ります。

柔らかいため、K18と比べて変形しやすいですが、強い粘りがあるため、折れたり、割れたり、削れたりし難いので、どちらが丈夫かと聞かれると難しいところです。

これを食品に例えるならば、K18が人参で、プラチナは鶏皮みたいな感覚でしょうか。

あくまで比較論ですので、どの地金素材を選んでいただいても実用強度は確保しておりますので、ご安心ください。

刻印は『Pt950』と打ちます。

 

Sterling silver

スターリングシルバー(Sterling silver)はSv925とほぼ同義語です。

Sv925は92.5%の銀と7.5%の他の金属(割金)で作られます。

厳密には、Sv925の割金7.5%全てに銅のみを使ったものをスターリングシルバーと呼びます。

銀は全金属中で可視光線の反射率が最も高いため、一番明るい銀色の金属であると言えます。

しかし銀製品は温泉や、空気中の硫黄分と結びつく硫化という現象で黒ずみます。

あえて色の変化を楽しむも良し、こまめに磨くも良し、個々の楽しみ方ができます。

刻印は『925』と打ちます。

HIKARUISHIでは『Americano』シリーズ等、スターリングシルバーとK18YGの二種をコンビ使用したデザインの製品がございます。

K18の部分に刻印するスペースがない場合、シルバー部分に『925/K18』と打刻いたします。

これは一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)様の『ジュエリー及び貴金属製品の素材等の表示規定』に則した表記方法です。

 

 

他にもジュエリーの地金素材や刻印に関しての幅広い情報について、JJA様のホームページ(https://jja.ne.jp/)が参考になるかと思います。

海外の金製品の刻印はややこしく、含有率の怪しい物が多いです。

金価格は世界中どこの国でもほぼ共通なので、お得なものなど絶対に存在しません(あれば詐欺商品)。

また、溶かせば換金性のある物ですから、『デザインが古い』という理由での大幅値引きはありえません。

同じ理由から、お客様のお手持ちの金製品を不当に安く買いたたく業者にも、ご注意ください。